全国出版協会(全協)は1949(昭和24)年4月に設立されました。設立の趣旨は、戦後の社会的混乱或いは複雑な占領事情など、当時の多難な事態の中で出版業界を結束し、その復興発展をはかることにありました。設立後「用紙対策」や「日配対策」など当時の様々な業界の対策について、主導的役割を果しました。
時代の進展に伴い、業界では雑誌出版、書籍出版、それぞれの専門団体の必要が痛感され、日本雑誌協会(1956年)並びに日本書籍出版協会(1957年)が設立されました。本協会は両団体設立の産婆役といえる役割を果たし、その後は業界全体の健全な発展を見守る立場となりました。
1969(昭和44)年、「調査研究活動」に事業目的を据え、新たな活動を開始しました。1956年に東京出版販売株式会社(現・トーハン)で設立された「出版科学研究所」の事業を移管し、「全協・出版科学研究所」としての活動を開始しました。業界唯一の公的な調査研究機関として、現在も活発な活動を続け、その調査・統計は、出版業界はもとより、マスコミ、各種調査機関、一般企業など広範囲に利用されています。また、2006年度より事業内容に文字・活字文化の啓発と普及を加え、「文字・活字文化振興法推進協議会」「高橋松之助記念顕彰事業事務局」を設立しました。
「文字・活字振興法推進協議会」は文字・活字文化振興法の具現化を目指し、諸団体と連携し、読書推進や文字・活字文化の振興に取り組みました。爾来10数年を経て、一定の役割を終えたとして2018年度をもって当協議会の活動は終了いたしました。「高橋松之助記念顕彰事業」は2007年度から高橋松之助記念「朝の読書大賞」「文字・活字文化推進大賞」を創設、読書推進に功績のあった学校・団体・地方自治体を顕彰しています。2013年8月、本協会により新たに設立された高橋松之助記念顕彰財団に事業を移譲しました。
なお、本協会は2013年4月1日、公益社団法人に移行いたしました。